1971 セリカ 1600 LT
2010年 エンジン周り作業

赤いセリカLT…
今年の夏くらいからセルの調子が悪くなってきました。
そろそろ考えないと…という事で主治医と相談。1Gセルをつけて貰いました。

何となくヤフオクを見てると…12T???
エンジンも「白煙」の事をそろそろ考える時期だったので、良く知りもせず勢いで買ってしまいました(^_^;)。

「必要最小限」の整備で載せるつもりが…結局は殆んどオーバーホール…
これでイベントや仲間と走る時に、後ろを気にせず走れます(^_^)!

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2010/10/27

検証

40年近く働いてきた(たぶん)セリカLTから降ろしたエンジンの中を簡単ではありますが検証してみます。

この先このエンジンを組む機会があるかどうかわかりませんが、純正カムのバルタイを測ってデータを取っております。

そしてヘッドを開けてみますとシリンダーに目立った傷などはないですが、
クロスハッチは消えて内面は鏡の様にピカピカになっています。
調子は悪くないけどオイルの消費が多いという状態でしたので、予想通りというところですね。






2010/10/26

セリカLT

エンジンの積み込みが完了し問題なく始動、初期セッティングもOKであります。

ハイカムによる扱い難さが心配されましたが、扱い易い方向でバルタイをセットしておりますのでアイドリングもバラつく事なく安定、
1500rpm程度でクラッチミートしてスムーズに発進できます。

一応ある程度のナラシはした方が良いので、今のところ4000rpmあたりまでしか回していませんが、
3500rpmくらいからトルクが盛り上がってくる感じですので、ここで我慢するのがもどかしいですね。

一つ心残りなのはバルブスプリングを強化品にできなかった事です。
セット長の違いから2TG用は使えず、リテーナーも形状が違うのでダブルスプリングにする事もできませんでした。
気休めではありますが、バルブスプリングシート(ヘッド側に付くワッシャー状のリング)を2枚重ねにして
セット加重をほんの少しだけ上げておきました。

ここからもう一伸びというところでサージングしてしまっては寂しいですからね・・・。


ところで、この車両の最初の作業でキャブをソレックスにした時に
社外品のインマニを純正タイプのリンケージで作動する様に加工していた訳ですが、
本来のワイヤー式のためのシャフトを通すタワー状の部分が付いたままでしたので、
今回の作業で削り落として撤去しております。

なにげにすっきりした感じに仕上がっていますよ。






2010/10/24

セリカLT

エンジン完成の図、です。

お決まりの、という訳でもないのですが、だいたいいつものカラーリングであります。

ブロックは12Tだったはずですが、こってりと塗ったせいで最初の1の字が埋まってしまいました・・・(悪)

こうやって仕上げますと、特にオイルパンなんかが積み込み作業の時に傷付かない様にするのが結構大変なのですが、
やはり綺麗に仕上げると気持ちの良いものです。


さて、あとは積み込みと調整を残すだけです。






2010/10/22

セリカLT

各パーツのお手入れです。

クーリングファンはおそらく純正ではなく後付けされたクーラーとセットで交換されたものだと思われます。
タペットカバーはそれぞれ少しずつ形状が違っていたので、一番すっきりした形状だった元の車両の物を使用します。
内部はそれなりに汚れていましたが、強力な洗浄剤で洗っております。

そして可能な範囲ではありますが、ラジェーターやアンダーカバーなど、
外した部品を手入れしてそれぞれ思い付きの色でペイントしております。

そして最後にネジ類ですが、純正部品をこよなく愛されているオーナーのために余計に手間は掛かりますが
使用可能なネジは洗浄して再使用します。
新品に交換した方が綺麗で手間も省けるのですが、過剰にピカピカにせず、やり過ぎな雰囲気を避けるための演出でもあります。






2010/10/21

セリカLT


「T型エンジン」の作業として紹介しておりましたが、搭載するのはもちろん先日から預かっているKAZU氏のセリカLTです。
補機類は元のエンジンから移植しますので、このタイミングで車両からエンジンを降ろします。

クーラーのガスを抜きたくないので、コンプレッサーは車両側に残しての作業になりますが、
純正タイプではないので高圧ホースがエンジンの上を通っております。
なんとか交わしながらの作業という事と、今回は作業場所の都合でミッションは車両へ残したまま、
知恵の輪の様にエンジンルームから引き抜く感じであります。(載せる時はもっと大変そう・・・)

エンジンがお留守になったエンジンルームの汚れが気になりますので、
特にオイルとホコリの汚れが蓄積したメンバーを洗浄すると塗装ごと剥がれてしまい・・・
簡易的ではありますが、それなりに仕上げております。


ここでおさらいですが、今まで車両に載っていたエンジンは現在ソレックスが付いていますが
元は1600ccシングルキャブの2Tです。ここからは幾つかの補機類を使用する事になります。

そして最初に入手したベースエンジンは1600ccツインキャブで、
ハイオク仕様の2T−Bかレギュラー仕様の2T−BRかはっきりしませんでしたが、
最近の検証でどうやらレギュラー仕様の2T−BRだという事になりました。
このエンジンから外したヘッドを面研して使用しております。

そして最後に入手した12Tの腰下をオーバーホール+ハイカムの組み込みというメニューになっております。


さて、車両から降ろした2Tエンジンは補機類が外されておりますが、
オイル消費以外のトラブルはなく調子的には悪いエンジンではないので、捨ててしまうにはもったいないと思います。
部品さえ揃えばこれをベースにオーバーホールやチューニングも可能ですので、救世主が現れる事を期待しましょう。






2010/10/18

T型エンジン

ヘッドを組み付ける前の段階でバルタイの確認をしております。

まさかこのOHVのT型エンジンにハイカムを組む日が来る事をかつて予想した事もありませんので、
カムのプロフィールやバルタイの推奨値など知る由もありません。

そんな訳もありますが、元々カムトップの位置などはあまり重要視しない事にしておりますので、
バルブの開き始めと閉じ終わりの角度をそれぞれ計測します。
特にインテークが開き始める上死点前の角度とエキゾーストが閉じ終わる上死点後の角度が
バランスの取れる位置を念入りに計測してセットしました。
ツインカムですとインテークとエキゾーストをそれぞれ個別に調整できるので、色々な味付けが可能なのですが、
カムシャフトが1本のエンジンではバランスの良い位置は限られてくる様に思います。

バルタイの調整はスプロケットのピンの位置を変える事で可能ですが、
結局のところフロントカバーを外した状態でないと調整できません。
このエンジンの場合、フロントカバーを外すには先にウォーターポンプを外す必要がありますし、
確実な作業をするにはオイルパンも取った方が良いかと思います。
そうゆう訳ですので、実質的には車両に積んでから再調整するというのは現実的ではない話になります。

そんなこんなで、同時進行でヘッドへバルブを組み付ける作業やオイルポンプのオーバーホールも完了しておりますので、
いよいよエンジンの完成が近付いております。

つづく






2010/10/17

T型エンジン


クランクシャフトを旋盤にセットして振れの計測とジャーナル部のラッピングをします。

計測の結果はなんとダイヤルゲージの針がピクリとも動かないという、まれに見るGOODなコンディションです。
これが高回転を狙わない、おとなしい仕様のエンジンに仕上げる予定というのが皮肉な話ですね・・・。


そして、おとなしい仕様とは言いつつも「ハイカム」という物が用意されております。
「TRD・TE001」という刻印が刻まれておりますが、詳しいデータは全く分かりません。
バルタイを調整するためのスプロケットも付属しており、よくある多孔式の物よりも調整がし易い感じの構造です。

そして運良く入手できたスタンダードサイズのピストンリングは箱がボロボロですが確かに未使用品であります。

当初の予定よりも、かなり役者がそろった感じになってきましたよ。






2010/10/14

T型エンジン

結局のところオーバーホールと呼べる作業になっております。

純正品のピストンはスタンダードもオーバーサイズも供給終了ですが、
外したピストンは磨耗が少なくシリンダーとのクリアランスも広がってはいませんので、
シリンダーをホーニングして内面の薄いサビの跡を消す事にしました。

そしてヘッド側は0.5mmの面研とバルブシートの修正、
バルブは程度が良かった12Tヘッドに付いていた方のフェース部を研磨して当たり面をリフレッシュしています。

そして、あきらめていたピストンリングは加工を頼んだ内燃機屋さんが在庫を持っていて、譲っていただく事ができました。


左の画像はホーニングが仕上がった12Tブロックです。
ピストンとのクリアランスは若干広がりましたが、ピストンが首振りを起こすほどではありません。
そしてクロスハッチが新しくなり、新品のリングを組み込む事になったのでオイル消費は改善されるはずです。

バルブシートは光明丹を塗って当たり面のチェックがされております。







2010/10/12

お預かり


KAZU氏のセリカLTです。

作業に掛かるのは少し先ですが、都合により車両を預かる事になりました。
当初の予定より大掛かりな作業となっておりますが、満足のいく仕上がりになるのでしょうか・・・。






2010/10/07

T型エンジン


「最低限の整備」という事で作業中の12Tですが、
オーナーが以前から用意されているTRDのハイカムを組み込む事を希望されております。

一言で「カムを組む」とは言いましても、OHVエンジンの場合はカムシャフトがブロック側にありますので、
まずはフロントカバーを外す必要があります。
そしてフロントカバーを外すためには通常オイルパンを外す事になります。

という事は・・・ほとんど全バラの状態に近い訳なのです。

すでにブロック上面を磨いたり、ピストントップのカーボンを落としたりしていますが、
ここまで来ればコンロッドのナットを外すだけでピストンは抜けて来る訳ですよね。

もしかしたらそうなるかもしれませんが、バラす前にピストントップの出っ張り部分の容積を量り、
圧縮比を計算しておく事にします。
ヘッド側の容積を量る事は簡単なのですが、ピストンの頭が出っ張っている場合はその分の容積を差し引く事が必要です。
まずはピストンを上死点から10mm下げます。
下げる量はトップの出っ張りより多ければ幾らでも構いませんが、
計算がし易い様にきりの良い数値にしておけばいいでしょう。

ブロックの上面に薄くグリスを塗って小さな穴を開けたアクリル板を乗せ、その穴からオイルを注入していきます。
ピストンが仮にフラットだった場合の上死点から下がった分の容積を計算し、
オイルの入った量を差し引けば出っ張り分の容積が分かるのです。

実際にはピストンリングまでの隙間に入ったオイルやリングから下へ滲み出る分もありますので、
およその数値でしかありませんが、大体の目安にはなります。







2010/09/22

T型エンジン

「軽くオーバーホール」そんな言葉を耳にする事がありますが、私はこの言い方が好きではありません。
なんだか手を抜いた作業の様な印象を受けますよね。

今回(とは言いましても、何年も前から聞いている作業なのですが・・・)予算も少ないという事なので、
必要最小限の手入れと、2機在るエンジンの部品を比べて良いとこ取りで組み上げる事になりました。

腰下は先日入荷した12Tをそのまま使用します。
シリンダーにうっすらサビがある状態ですが、販売元によると白煙は出ていなかったという事ですので、
見なかった事にしてフタをしてしまいましょう。

ヘッドはもう何年も前から預かっている2TBの物を使用します。
こちらも面研などの費用が掛かる作業は無しで必要最小限の手入れをしておく事になりました。
バルブは希薄燃焼エンジンの12Tに付いていた方がカーボンの付着が少なく程度が良かったので、
すり合わせをして組み換える事にします。
バルブスプリングもヘタリの少なそうな方を選んで再使用の予定、新品部品はリップシールとヘッドガスケット、
タペットカバーのパッキンのみの交換となりそうです。

そうは言っても汚れくらいは落としておきたいので、それなりに手入れはしておきましょう。

燃焼室だけを見れば2TGとほとんど変わらない半球型のヘッドは燃焼室全体が機械加工ですので、
鋳肌の物に比べて実はカーボンの掃除がし易いのです。

ガスケット面にうっすらと腐食した部分もありますが、圧の掛かる部分には影響がない範囲ですので問題は無いでしょう。

つづく



2010/09/18

希少エンジン

これは「12T」というエンジンなのですが、希少というだけで値打ちのあるエンジンではありません。
ある車両(あの車両)のために入手されたエンジンであります。

2Tではなく2TUでもないこのエンジンは排ガス規制が厳しくなっていく過程でほんの一時期だけ生産されたエンジンです。

当時は性能の良い触媒がまだ開発されていなかったので、
なんとかエンジン内での燃焼状態を工夫して排ガスをクリーンにしようと努力したのでしょう。
ヘッドのプラグ付近は副燃焼室になっていて、薄い混合気でも着火する工夫がしてあるのです。(たぶんね・・・)

そして、その副燃焼室のせいで低くなった圧縮比を取り戻すためにピストンのヘッドは2Tの物より盛り上がっております。
つまりは2Tのヘッドを組み合わせると少々のハイコンプ仕様が完成するという訳です。

そんな安上がりなライトチューンができれば面白いと思った訳ですが、
ヘッドを開けてみるとシリンダーの状態は良いとは言えない状態でした・・・。

爪に引っ掛かる様な段差やザラ付きはなく、見た目ほど酷くはないのですが、
リングも傷んでいるでしょうし、このままヘッドを組み付けて使用するならある程度のオイル食いは覚悟しないといけません。

もちろんオーバーサイズピストンなどの供給は無いでしょうから、純正部品でのオーバーホールは厳しいでしょう。

なかなか上手くいかないものですね。



2010/08/09

セリカLT

1G用のスターターを2TGへ流用するのは定番となっておりますが、
この車両の2T(OHV)ではモーター部分がオフセットされているタイプはタコ足に干渉して取り付けできませんでした。

同じ1G用ですが、モーターと出力側の軸が同軸上にあり、
プラネタリーギアで減速されるタイプの物はコンパクトに出来ていますので装着可能でした。

どちらにしても1G用は遮熱板が付いていませんので、何か熱対策が必要です。
通常ですと耐熱布を巻いたりするのですが、「ミイラみたいなのはイヤ」とわがままを言われますので
工夫して遮熱板を取り付ける事にします。
遮熱板の取り付け部を加工するために分解し、ついでに内部を整備しております。

4AG用の遮熱板を付けようとしますが、マグネットスイッチの位置関係が違うため、
きちんとカバーしきれないので贅沢にも2個分を使って継ぎ足し、
更に振動で割れるのを防止するためステーを2箇所追加して装着しております。

これだけでも以前とは比較にならないほど元気良くクランキングする様になったのですが、
キーシリンダーの接点や道中の配線にも抵抗があるのか、時々マグネットスイッチを引かない時があるので、
リレーを追加してバッテリーから直接電流が流れる様にしてみました。

マグネットスイッチ自体が大きなリレーの様な物ですので、リレーをリレーで動かす状態になりますが、
これで確実に始動する様になりました。



2010/08/08

セリカLT

AA63カリーナと入れ替えで久しぶりの入庫となりましたセリカ1600LTですが、スターターモーターの不調という事です。

この車両は2TG用のタコ足を流用しておりますが、ヘッドへの取り付けはそのまま付くものの、
OHVの2Tはヘッドの幅が違うのでタコ足とスターターモーターのクリアランスがかなり厳しい状態です。

現状のスターターをオーバーホールするのではなく、定番の1G用のリダクションタイプを流用する計画を立てております。

つづく